ミッドランドはいいぞ、って話。
本記事ではMidland製インターカムのBTX2Pro S(以下、BTX2)についてレビューしていく。
以下、間違っている内容等があればTwitter(@Buuuchi_fz) までご指摘していただけると嬉しい。
まずはBTX2の購入理由を語らせてもらおう。
インカムといえばSENA 50Sやサインハウス B+COM SB6X, あるいはデイトナ DT-01などが有名だが、BTX2には以下の特徴がある。
他社インカムでもこれらの機能を搭載しているモデルが存在するが、 BTX2の価格には敵わないだろう。
充電端子がMicroUSBなのは少々惜しい点だ。Type Cだと良かったのだが。まあそこまで頻繁に充電しなくて良いので気にしない事にしよう。
スマホは1台だけで良い、滅多にマスツーリングしない方は下位モデルのBTX1Pro Sをお勧めする。
(定価:19,800円 Amazon:17,781円)
(メーカーサイトより引用)
メーカーサイトの画像が全てである。
…と言ってしまうと記事の意味がないので、下表の通り主要スペックを纏めた。 公式サイトでは接続台数や他社接続(ユニバーサル接続)台数が紛らわしく記載されているので注意してほしい。
とにかく時間がない方は太字部分だけ見ておくといい。
項目 | 値 |
---|---|
基本性能 | |
通信距離 | 1対1通話時:1200m グループ通話時:700m |
連続通話時間・充電時間 | 20時間・約2時間 |
Bluetooth | デュアルコアシステム Bluetooth4.2 (HFP/HSP/A2DP/AVRCP) |
Midland同士と通話 | |
登録台数 | 3台まで |
通話台数 | 自分+3台まで (パッセンジャー含めて自分+7台まで) |
他社インカムと通話 | |
登録台数 | 2台まで |
通話台数 | 自分+1台まで (グループ通話不可!) |
Bluetoothデバイスと接続(スマホ等) | |
登録台数 | 2台まで |
接続台数 | 2台まで(インカム通話時は1台) |
その他機能 | |
インカム通話中に音楽・ナビ再生 (ステレオブレンド) |
可能 |
インカム通話相手へ音楽・ナビ音声シェア (パブリックモード) |
可能 |
音量自動調整(AGC) | 対応 |
メッシュ接続 | 不可 |
BTX2は以下のデバイスと接続することが可能である。
Midlandインカム同士なら最大4人のグループ通話、他社インカムの場合は1対1の個別通話が可能。
インカム接続について、想定される接続パターンを整理したので参考にしてほしい。
また、操作上スマホ等の接続はボリュームボタンマイナス/プラス
インカムの接続はフォワード/ミドル/バックワードボタン
といった形で分離されているので分かりやすい。
これはメーカーサイトに記載の通りである。図中のBT NextはメッシュではなくBluetooth接続を想定している。
いずれの接続パターンにおいてもボリュームマイナスに登録したスマホの音楽・ナビ音声を聞くことが出来る。
(HFP:Bluetoothを利用した通話用プロファイルのこと、ユニ:ユニバーサル接続(他社接続)のこと)
メーカーサイトでは「他社インカム2台登録可能」と記載があるが、2台の他社インカムをペアリングできるという意味であって、グループ通話をすることは出来ない。
また、Midlandインカムのグループに他社インカムは参加できない。(ユニバーサル接続のブリッジ不可)
非公式ながらパッセンジャー用の接続方法を応用すると
BTX2x1台につき、他社(HFP)x1台をグループ通話に参加させられる。
パッセンジャー用の接続パターンは通信距離が短いので、タンデム時以外の利用は厳しいかもしれない。
接続実績を下表にまとめる。スマホを横に回転させるか、PCで閲覧することをお勧めする。 表中の接続方法:ユニはユニバーサル接続、Talk2All-Universal Intercom機能、
HFPはスマホ・ナビ等のBluetoothデバイスの接続方法を指す。
ちなみにユニバーサル接続はMidlandが世界に先駆けて展開した機能だそう。
また、BTX2はユニバーサル接続でも本来の通信性能を発揮してくれるそうだ。
◎:接続可能(相性良好) 〇:接続可能 △:接続可能(制約有り) ×:接続不可
メーカー | 機種 | 接続方式 | ペアリング・接続方法(相手) | 相性 | ブリッジ接続 |
---|---|---|---|---|---|
サインハウス | B+COM SB6X | ユニ/HFP | ユニ(レシーブ):デバイス1/2長押(赤高速点滅) BTX2から呼出 |
◎ | 〇 (B+LINK使用時はデバイス2へ登録) |
SENA | 50S/R | 自社/HFP | ペアボタン長押→ユニペアリング→フォン・ミドルボタン押下 50S/Rのミドルボタン1/2回タップで通話開始 |
〇 | 〇(BT/Mesh) |
SENA | SMH10 | 自社/HFP | ミドルボタン長押→ユニペアリングでボタン離す SMHのミドルボタン1/2回タップで通話開始 |
〇 | 〇(BT) |
不明 | 6Riders(中華インカム) | ユニ | フォンボタン長押してHFPペアリング BTX2側でペアしたボタンを超長押し |
△ | × |
Cardo | packtalk slim | HFP | Bluetoothインターコムとしてペアリング・接続 | 〇 | 不明 |
デイトナ | DT-01 | HFP | Aボタン4秒押下 | 〇 | × |
いずれも1vs1の通話なら問題なく接続可能。3台以上が絡むグループ通話の場合はSB6X以外の機種とでは使用不可あるいは不安定であった。
表はファームウェアバージョン:04/12/2019の実績
通信距離や音質は相手のBTX2だけではなく相手のインカムにも左右される。上手く接続できない場合はお互いペアリング情報をリセットしよう。スマホ等のBluetoothも一旦オフ。
接続相手がユニバーサルペアリングをする場合は、BTX2側はスマホペアリングをすること(ペアリングモード→ボリュームプラス or マイナス超長押)
逆にBTX2がユニバーサルペアリング(フォワード or バックワード超長押) をする場合は、接続相手はスマホペアリングの操作が必要。通話する際はユニバーサルペアリングした側のインカムから呼出す。
長くなってしまったので手短に。
結構使い勝手がいいので気に入っている。この価格帯でBluetoothデバイスを同時に2台接続できるのは嬉しい。
基本ソロ、時々2~4人のツーリング程度なら問題ないだろう。
ただし、よく走る相手が既にインカムを持っている場合はブランドを合わせたほうが良い。
BTX2が2台のインカムとユニバーサル接続できたらかなり便利だなぁ、と思ったりはする。
概ね良いが気になる点が少し…。主な変更点について下記する。
個人的には現状困っていないならアップデート不要と考える。
改善ポイント
気になるポイント
AGC機能に関しては結構便利に使っていたのだが、アップデート後は設定変更しても、走りだすとすぐに爆音になって耳が破壊されかけた。
サポート(LINKSさん) に確認したところ、BTX2側の音量を出来るだけ高くし、デバイス側の音量を調整することで改善されるとのこと。
確かに効果はあったが、以前のバージョンでは丁度よい塩梅で自動調整が効いていたので残念。
マイクが故障した際の修理にてFWのダウングレードをして頂けたので助かった。
ダウングレードは手元でできず。修理扱いとなる (FWイメージを持っている場合はもしかしたら出来るかも)
サポートの対応は非常に良かったので、いつか修理について書きたい。
また、スマホアプリ対応版FWはベータ版なので、いつかリリース版が来るといいなぁ。